高橋ナオト
皆様、聞いた事無い名前だと思います。
はじめの一歩 の宮田一郎のモデル
元日本チャンピオンのプロボクサーです。
フットワークを使うカウンターパンチャー。
逆転に次ぐ逆転の試合。壮絶な減量。
宮田一郎とは高橋ナオトさんの事なのです。
マーク堀越 対 高橋ナオト の試合は国内伝説の試合としてyoutubeでも見る事が出来ます。
余談ですが、どちらかと言うと、わたくしも宮田一郎系でございました。
カウンターパンチとよく聞きますが、相当な威力でございます。
相手の向かってくる力を利用してパンチを当てる。これだけで破壊力理論は分かりますが、本当に効く理由は「意識の外から放たれるパンチ」だからです。
自分は相手にパンチを当てると思ってた瞬間に、相手のパンチをもらっている。自分では何が起こったのか分かりません。
皆様に分かりやすい例えでいうと、電柱にぶつかると思って自分からぶつかるのと、よそ見してて電柱にぶつかってしまったのとどちらが痛かったですか?
よそ見してた時の衝撃は計り知れませんよね。それが急所を狙ったパンチで、自分の勢いも利用したパンチだったら、立っている事など不可能なのです。
以前、カウンターパンチをもらった先輩のお話をしましょう。
ハードパンチャーで知られる相手を素晴らしいテクニックで翻弄し、完封しかけた時、たった1発のカウンター左フックをもらいました。
先輩の膝は産まれたての仔馬の様に揺れ、力無く相手に抱きついてでもダウンを拒み、必死に最後まで戦いました。
先輩は壮絶な試合をしました。見ているものが拍手を送る試合でした。
「先輩凄かったっすね!!」試合後にわたくしが声を掛けても先輩は上の空で「うん。うん。」と言うだけでした。
ボーっとしたまま感動も無くジムを帰られました。
次の日、先輩に話しかけると
「馬場、俺昨日の記憶が所々無いねん。多分家に帰ったと思うんやけど、自分家のチャイムを10分くらいずっと鳴らしててん。」
先輩はご自分の家なのか分からなかったのでしょう。記憶も無く家に帰ったと言うのは帰巣本能のなせる技でしょうね。
「持ってた鍵で部屋に入ったのは覚えてるんやけど、多分電話したんよ。それで電話に出た女性に「俺たち付き合ってますよね?」って聞いたんだ」
先輩は毎晩ジム終わりに彼女に電話なさってたんです。混濁した意識の中、本能で電話して、なんで電話してるのか、相手が誰だか分からない中、出た言葉が「俺たち付き合ってますよね?」なのです。
わたくしの経験からすると、先輩は自分が電話してる事すら理解して無い。自分とゆう存在すら上の空だったと思います。
これを繰り返す事でパンチドランカーが生まれるのです!!!
いやぁボクシングって本当怖いですね〜